また便秘薬が承認!!モビコール配合内用剤ってどういう薬剤?

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また便秘薬が承認!!モビコール配合内用剤ってどういう薬剤?

モビコール

引用:EAファーマ製品情報より

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Contents

便秘薬の種類が追加 モビコール配合内用剤が慢性便秘症承認

先日某メーカー製品説明会を聴いて、よく理解できなかったので私なりにまとめてみました。
便秘に対する治療薬としては、現在、センノシド(プルゼニド)・ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)などの大腸刺激性下剤や、塩類下剤である酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤があります。近年では、クロライドチャネルアクティベーターであるルビプロストン(アミティーザ)や、グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニストの上皮機能変容薬リナクロチド(リンゼス)、さらに胆汁酸トランスポーター阻害薬エロビキシバット(グーフィス)など新しい機序の薬剤が開発され選択肢が増えてきました。

DI(ドラッグインフォメーション)

2018年12月に発売予定の慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤」は、1包(6.8523g)中にマクロゴール4000 6.5625g、塩化ナトリウム0.1754g、炭酸水素ナトリウム0.0893g、塩化カリウム0.0251gを含有している。

適応は「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」、用法用量は「初回投与量として1日1回1包(2~7歳未満の小児)、1日1回2包(7~12歳未満の小児、成人及び12歳以上の小児)を水で溶解して経口投与。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回。最大投与量は1日量4包(1回量2包)まで(2~7歳未満の小児、7~12歳未満の小児)、1日量6包(1回量4包)まで(成人及び12歳以上の小児)。ただし、いずれの年齢においても増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量1包まで(2~7歳未満の小児、7~12歳未満の小児)、1日量2包まで(成人及び12歳以上の小児)」となっている。

モビコールの飲み方・調整方法(EAファーマHP)

モビコールの作用機序

モビコールは、高分子量化合物であるマクロゴール4000を主要な有効成分として含有する。
マクロゴール4000など高分子量のポリエチレングリコール製剤を投与すると、浸透圧により腸管内の水分量が増加する。その結果、便中水分量が増加し、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し用量依存的に排便が促される。また、腸管内の水分
加に伴う滑らかな排便により、モビコールの便秘治療効果が発現すると考えられる。、小児(2歳以上)及び成人に使用可能な慢性便秘症治療薬となっています。PEGのマクロゴール4000が、浸透圧によって腸管内への水分貯留を促進し、便中水分量と便容積を増加させることで便秘症状を改善し、さらに、配合された電解質は腸内の電解質バランスを維持し、便中の浸透圧を適正なレベルに保持します。

「これだけではよう分からん!!」っという方に・・・

もっと詳しく説明すると

まず簡単に言うと同メーカーより発売されている製剤で「ニフレック配合内用剤」と言う、通常の便秘の時に使用する薬ではなく、「前処置用下剤」と呼ばれる基本的には大腸検査や消化器手術などのときに使用されるものがあります。この薬剤の量を減らしたものが「モビコール配合内用剤」と考えてもよいでしょう。

ニフレックは、1袋を水で溶解して合計2000mlになるように作成します。その後、検査開始予定時間の約4時間前から1時間あたり約1Lの速度で投与を開始します。この方法の場合は、排泄液が透明になった時点で投与を終了し、4Lを超えての投与は行わないようになっています。等張液投与方法と呼ばれています。便を押し流すイメージです。

もう一つの溶解方法が、高張溶液投与方法と呼ばれるものです。強制的に排便を誘発し腸内を洗浄するイメージです。モビコール配合内用剤がこちらに該当します。

高張溶液投与と等張溶液投与との違いは?

高張溶液投与方法

高張溶液投与の場合は、「強制的に腸内を洗い流す」といったイメージです。腸内に入ったモビコール配合内用剤は高張溶液なので、等張溶液になるまで腸管から水分を腸内に引き込みます。その結果として便中水分量が増加し、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し用量依存的に排便が促されます。

普段から水分が多く飲んでいる人の場合は、体内に水分が多くあるので、腸内で等張溶液になりやすい。また、腸内が等張溶液となった段階で反応が終わるため、効果が出るまでの時間は早くなります。

しかし、あまり水分を取らない人の場合は、水分を引っ張ってくることができないので、水分を摂取するたびに徐々に効いてくることになります。そのため、効果が出てから排便が出るまで時間がかかります。高張溶液投与では強制的に排便を誘発させるため、嘔気が出現することがあるので注意が必要です。

等張液投与方法

等張溶液投与の場合は、大量の水(2000ml)で「押し流す」というイメージになるため、高張溶液投与のような強制的な作用が起こりません。等張溶液投与は、主に大腸検査などの検査を主体に使用することが多いのが特徴です。

まとめ

メリット

小児(2歳以上)および成人において、使用可能

北米小児栄養消化器肝臓学会および欧州小児栄養消化器肝臓学会のガイドライン(2014年)では、小児便秘症治療にポリエチレングリコール製剤を用いることが推奨されています。
本邦でも、小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン(2013年)および慢性便秘症診療ガイドライン(2017年)に、ポリエチレングリコール製剤の記載がありますが、慢性便秘症に対する保険適応はなく開発が待望されていました。

安全性が高い

多くの下剤で見られる、腹痛、下痢、食欲減退などの副作用が少ない。各2.6%(1/39例)の3事象であった。「EAファーマ ホームページより」

デメリット

作用発現までに時間がかかる

初回自発排便発現までの日数は2.0日~3.0日。上記でも説明したように腸管から水分を腸内に引き込むまでに時間がかかるためです。

色んな作用機序の便秘薬が市場にでてきました。上手く使い分けましょう。

引用及び参考:EAファーマ製品情報より

比較表を作ってみました。ご参考まで

比較表ダウンロード(PDF)

便秘治療薬2018.11

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