六君子湯の多彩な作用と効果

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六君子湯の多彩な作用と効果

六君子湯漢方薬

六君子湯は消化管運動亢進作用や食欲増進作用が明らかにされており、上部消化管術後の不定愁訴や消化器症状に対して頻用されています。もともと胃腸が弱いタイプで体力中等度以下、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものに用いるとされています。

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Contents

漢方薬の応用

2000年を過ぎる頃より胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease;GERD)、近年では機能性ディスペプシア(functional dyspepsia;FD)に有効とされる研究が進められています。

術後うっ滞症状の改善、グレリン増加による消化器症状の改善効果

胃がんや食道がん術後の患者さんに六君子湯を用いることが多い中、最近では化学療法の副作用対策などにも漢方薬を用いるケースも増えています。
早期がんに対する術式に幽門保存胃切除術(胃内容物が一気に流れることを抑える目的)がありますが、術後、胃内に食物が長く残りうっ滞症状で苦しむ人が多い。そこで、六君子湯を用いたところ固体の排出能とうっ滞関連症状スコアが多く改善されたという報告があります。

グレリンの主な作用

また、グレリンには食欲増進作用、消化管運動亢進、抗炎症作用など生理活性作用があることがわかっており、六君子湯にはグレリンを増加させることが確認されています。
胃切除後の患者を対象として六君子湯を投与した結果、グレリン値は上昇し、食欲増進や逆流症状や悪心・嘔吐といった消化器症状も改善されるなどの多くの報告があります。

六君子湯の胆汁酸吸着作用

胃内容物の食道への逆流の胃食道逆流(gastroesophageal reflux;GER)と胸やけなどの不快な臨床症状および身体所見である食道粘膜障害のいずれか、または両方が見られる場合をGERDと言います。

GERD治療に使われる薬

GERDの第一選択薬はプロトンポンプ阻害薬(PPI)ですが、これはあくまでも胃酸を抑えるためのものです。PPIで効果がないPPI抵抗性のGERDの場合、PPI増量が行われますが、十二指腸液逆流の場合ではPPIは効果がありません。また、食道性逆流炎の中でも、胆汁酸を含む逆流が非常に強い粘膜障害を起こすことが報告されています。PPI使用では広範囲に食道炎が起こりましたが、蠕動亢進、胃排出促進作用のある六君子湯を用いたところ、食道炎は非常に軽度だったと報告されています。結果、六君子湯には胆汁酸に対して非常に強い吸着作用があることが分かりました。

つまり、幽門側胃切除後に六君子湯を投与すると、十二指腸から逆流した胆汁酸を吸着し、また、排出能を亢進することにより下に送るという二重の作用で効果発現し、吻合部胃炎や逆流性食道炎を改善するのではないかと考えられているようです。

まとめ

六君子湯は、胃炎、胃アトニー、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐などの諸症状に用いられてきましたが、近年、六君子湯の胃・食道に対する作用や、成長ホルモン分泌促進ペプチドホルモンであるグレリンに対する作用が解明されてきています。術後のディスペプシア、抗がん剤治療に伴う食欲不振、胃逆流症などに対しても良好な成績が報告されているので、ぜひ試していただきたいと思います。

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