サイトカインについて

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サイトカインとは

細胞から分泌されるタンパク質であり、細胞間相互作用に関与する生理活性物質の総称です。標的細胞にシグナルを伝達し、細胞の増殖、分化、細胞死、機能発現など多様な細胞応答を引き起こすことで知られています。免疫や炎症に関係した分子が多く、各種の増殖因子や増殖抑制因子があります。
白血球(好中球、単球、マクロファージなど)が傷害箇所に集まるための走化性サイトカインをケモカインといいます。サイトカインにはケモカインを含む炎症性サイトカインと、逆に炎症性サイトカインの産生を抑制する作用をもつ抗炎症性サイトカインがあります。そのため、炎症性サイトカインの産生抑制、受容体の阻害活性を示す化合物を見出す方向と、抗炎症性サイトカインの産生促進の方向とで、炎症をコントロールする研究が行われています。

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サイトカインの分類

分類
1.インターロイキン(IL:Interleukin)
白血球から分泌され、免疫反応を調節するサイトカイン。30種類以上ある。
2.造血因子(CSF: colony stimulating factor, EPO, TPO)
血球の増殖を促進する。顆粒球へ分化させるG-CSFや、単球へ分化させるM-CSFなどがある。
3.インターフェロン(IFN: interferon)
ウイルス感染や腫瘍細胞に反応して分泌されるサイトカイン。ウイルスや腫瘍細胞の増殖を抑制する。マクロファージやNK細胞の活性化も行う。α(マクロファージで産生)、β(線維芽細胞)、γ(T細胞: 特にTh1細胞) の3種類
4.腫瘍壊死因子(TNF: tumor necrosis factor)
腫瘍細胞の障害(アポトーシスの誘導)や炎症反応に関与。αとβがある。
5.増殖因子(EGF, FGF, PDGF)
6.ケモカイン(chemokine) (IL-8)
白血球に対して走化性(chemotactic)を持つサイトカインのこと。様々な種類があるが、有名なのは好中球を遊走させるIL-8。
7.炎症性サイトカイン
発熱やCRPの誘導など、炎症反応を引き起こすサイトカイン。代表例がIL-1、IL-6、TNF-α。
※IL-8は好中球を遊走させる=炎症を誘導させるという意味では炎症性サイトカインに含まれる。
8.抗炎症性サイトカイン
炎症性サイトカインとは逆に、炎症の抑制に働くサイトカイン。IL-10、TGF-βが挙げられる。

G-CSF:顆粒球コロニー刺激因子:granulocyte-colony stimulating factor
M-CSF:Macrophage Colony-Stimulating Factor

細胞別サイトカイン

マクロファージが産生

語呂合わせ:「真っ黒いろはいつα」:マクロいろは (IL-1, IL-6, IL-8)、いつ(IL-12)、α (INF-αとTNF-α)

IL-1
炎症性サイトカイン。リンパ球や好中球の活性化も行う。
IL-6
炎症性サイトカイン。B細胞の分化や抗体産生の促進も行う。
IL-8
好中球の遊走・活性化。ケモカインの代表。
IL-12
ナイーブT細胞からTh1細胞への誘導を促す。またNK細胞の活性化も行う。
INF-α
ウイルス感染を契機に産生される。NK細胞の活性化とともに、抗ウイルス効果(mRNAの破壊によってウイルスの複製を抑える)も持つ。
→抗ウイルス薬(B型肝炎)にも用いられる。
TNF-α
炎症性サイトカイン。腫瘍細胞のアポトーシスを誘導させる。

Th1細胞が産生

語呂合わせ:「ヘルパー1年目に我慢」:ヘルパー1年目に(Th1)(IL-2)我慢 (IFN-γ)

IL-2
T細胞増殖因子。ナイーブT細胞からCTLへの誘導。
IFN-γ
マクロファージやCTL、NK細胞の活性化を行い、細胞性免疫の要となる。抗ウイルス効果も持つ。
→抗がん剤(多発性骨髄腫など)にも用いられる。

Th2細胞が産生

語呂合わせ:「ヘルパー2年目、仕事で13万」ヘルパー2年目 (Th2)、シゴトで (IL-4, IL-5, IL-10)で13マン (IL-13)

IL-4
B細胞の増殖・分化を促す。ナイーブT細胞からTh2細胞自体への分化誘導も促す。IgGとIgEの産生(クラススイッチ)を促進。
IL-5
B細胞の増殖分化+IgAへのクラススイッチ。好酸球の増殖も促す。
IL-10
抗炎症サイトカイン。白血球からのサイトカイン産生を抑制する。
IL-13
B細胞の増殖分化+IgEへのクラススイッチ。

免疫監視機構

主なインターロイキン

名称

産生細胞

   

IL-1

マクロファージ

炎症性サイトカイン

 

IL-2

ヘルパーT細胞(Th1)

細胞増殖因子

T細胞の増殖

IL-4

ヘルパーT細胞(Th2)

B細胞刺激因子

 

IL-6

マクロファージなど

炎症性サイトカイン

 

IL-8

マクロファージ

白血球遊走因子(ケモカイン)

 

IL-10

ヘルパーT細胞(Th2)

炎症性サイトカイン

他のIL産生抑制

IL-12

マクロファージ

 

強力なIFN-γ産生誘導

インターフェロン(IFN)は、ウイルスに感染した時に細胞が産生・分泌するタンパク質の総称です。
IFNは、α、β、γの3種類が存在する。
IFN-αは、白血球にウイルスが感染した時に、白血球が作るタンパク質である。
IFN-βは、線維芽細胞が感染した時に、線維芽細胞が作るタンパク質である。
αとβを合わせて、I型インターフェロンと呼ぶこともある。

IFN-γは、サイトカインなどのシグナルを受けて活性化された、T細胞やTh1細胞が産生するタンパク質です。マクロファージやNK細胞活性化作用などがある。

腫瘍壊死因子(TNF-α)は、主にマクロファージで産生される炎症性サイトカインである。
細菌感染時にマクロファージから産生され、局所で出血、壊死、炎症を誘導する。
炎症性サイトカインとして、関節リウマチの進行に関与している。

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